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アフガニスタン義肢装具支援の会のきっかけ

アフガニスタン義肢装具支援の会代表 義肢装具士 滝谷 昇

アフガニスタンにおける、赤十字社の義肢装具供給プロジェクトの資料から……

21年に及ぶ内戦で、アフガンには1000万個の地雷が埋没されていると国連は観ています。それらの犠牲者は、統計の示すように78%が、地雷によるもので、戦闘で傷つく人々を大きく上回っており、その事は今後も除去されない限り、戦闘行為がなくとも犠牲者は増え続ける事を示唆しています。それと共に長い内戦は医療体制をも破壊し、その結果、ワクチンの接種が出来ない為にポリオ過がまん延しているのも、報道されていないもうひとつの深刻な状況です。紛争国に限っての義肢装具の供給プロジェクトは、国際赤十字社によって1995年から活動されており、図の示す通りかなりの成果を挙げています。

アフガニスタンにおける赤十字社の義肢装具供給プロジェクト

切断術を受けた人に関する情報

78%の切断者は地雷による戦争傷病者の登録者である(うち70%が一般人)。
70%-成人男子、8%-少年(14歳以下)、7%-女性、3%-少女(14歳以下)

患者登録 37,119人
義肢製作 32,473人
装具製作 18,140人
杖など  66,877人
車椅子  5,577人

上記の情報を私なりに分析してみたところ、アフガンにおける国際赤十字社の人員は、義肢装具士5名現地補助員200名が、アフガンの各都市(5ケ所)の義肢工房に配置され(アフガンで稼動している工場は義肢工房だけと言われています)その生産量たるや、想像を絶するものであり、当初、そんなに多くの義足が作れる訳が無いという考えに至りました。なぜなら日本では義肢装具士の3000人と技術者が3000人とで、アフガンの義足製作数量と同数を製作しています。義足は一本製作するのに1人が約3日〜4日間を要し、その事をふまえるとアフガンで活動する国際赤十字社の全員が寝ずに製作しても、これだけの数量は生産出来るはずがないからです。

平成13年5月に宝塚NGOアフガニスタン友好協会、西垣啓子さんの製作依頼をを受け、現地で孤児の少女の義足を製作することになり、彼女の義足を観た時その疑問は氷解しました。それは義足の形をしていますが義肢の専門家から見れば義足ではなく、大量生産された(義足の形をした)ポリバケツでした。映画「カンダハール」で義足が空からパラシュ-トで降ってくるシーンがあるのですが、(確かにサイズは色々あるのですが、そんな簡単には適合しないのが真実)義足は各々の足の状態に合わせるものであり、決して義足に足を合わせるものではありません。そうでなければいくつ義足を持っていようと、適合させなければ痛くて歩けません。しかし、それは限られた国際赤十字社の資金と人員を考えれば、妥当であり仕方がありません。

これらのアフガンの状況を目にした時、シニアボランティアでこの国の義足製作に行こうと思っていた私は、「今、しなければ!」と考える様になりました。セスナ機でもこの国に来られるのだから、「義足を必要としている人々へ渡せるではないか!!」その決意を持って私は帰国しました。その思いが「アフガニスタン義肢装具支援の会」発足への大きな足掛かりとなりました。

アフガンへの恩返し

瀧谷昇は、昭和49年から1年間 JICA(国際協力事業団)の義肢装具製作指導教官として、アフガンに滞在しそこで日本では得ることのできない「人間としての心の豊かさ」や「与えるのではなく与えられたことの大きさ」など、目では量りしることのできないものを得ました。「アフガンは第二の故郷」であり、目の当たりにした現状を観、少しでも恩返しがしたいと考えるに至りました。しかし活動を始めるにあたり、具体的にどうすれば良いのか解らず、試行錯誤の連続でした。そんな中、TBS報道特集で放送されたことによってアフガンのことを知りたいという個々の人々、団体、小・中・高校、教育委員会等から講演会の依頼をいただくようになり、瀧谷がアフガンについて話す機会を得、それが啓蒙活動となりました。

そして瀧谷の呼び掛けに、賛同して下さり資金援助をして下さる方々。義肢装具製作を学ぶ若者を中心とした約45名の参加協力。それらの力を経て「アフガニスタン義肢装具支援の会」を立ち上げることが出来ました。義肢装具は決して安価ではありません。従って個人レベルの活動では、数多くの人々にお渡しすることは不可能です。しかしながら少数の限定した人へは可能であり、日本の心ある人々の助けを借り、アフガンの人々へ義肢装具の支援をこれから続けていこうと思っております。

アフガニスタン義肢装具支援の会ボトム画像