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アフガニスタンに於ける義肢装具供給プロジェクト概要

元コロンボ計画義肢装具製作指導員1974〜1975年 国際協力事業団(JIA)

義肢装具士  滝谷 昇

はじめに
アフガニスタンに於ける義肢装具の必要としている需要は、人口の7%〜10%と観られている。アフガンでは統計は調査がなされていない為に人口を含めて信用出来る数値はないが、戦争による戦傷病者、地雷による切断や、ポリオ等の蔓延は全体で15%と信じられない数字もある。が、如何に多いかを示唆しているのである。

私は2001年〜2002年に掛けて3度アフガン/カブールに於いて義肢装具を製作する為に訪れ、一般公募による無作為に(ポスターで掲示)選抜した方々の義肢装具を製作をしたがそのことで得た情報は、下記の様なものであった。

  1. 私が指導したスタッフは、総べて海外に難民となっていた。 
  2. 1985年から国際赤十字社ICRCが活動を始めて、年間相当数の製作をしている。
  3. アフガン国内5ヶ所の義肢装具製作センターで約200名の現地採用者(主に身体障害者)が働いており、義肢装具士はセンターに各々に1名が指導に当たっている。
  4. 日本において義肢装具の製作は(通常は)必要とされる部位のギブスで型取りを行った後製作される。が、国際赤十字社の義肢工房では、大量生産された義足(ポリプロピレン製でヨーロッパで集められたリサイクル製品)の倉庫から捜し出すだけなので極めて短時間で義足を必要とする患者へ渡すとことが可能である反面、不具合が多い義足となるのは当然至極。
  5. 紛争国に限定しての国際赤十字社のプロジェクトは、今後短期間に撤収される事が予定されている為(安定政権樹立が目安)アフガンに於ける義肢装具供給プロジェクトの継続が急がれる。
  6. 設備等について
    国際赤十字社の義肢装具工房の設備については、満足できる状態である。
    そこは近代的設備がなされており、問題点としては設置されている機械の数量が若干少ない。
  7. 人員
    赤十字社はイタリアの義肢装具士のアルベルト氏を長に5名の海外のから技師を各センターに配属して、各々40名の現地スタッフで運営されている。身体障害者の雇用の機会と職業トレーニングを兼ねて総勢200名である。
    生産されている義肢装具の数量から考えれば、この10倍が必要である。
  8. 技術的な問題点について
    極めて大量の製作と短時間で行われているが、義足が合わない為に、修理に大勢の患者がセンターに訪れる。義肢センターは毎日毎日大量の修理の人びとで忙しい。忙しいから新しい患者の義足が製作する時間が削られる、だから簡単なポリバケツの義足を渡す。だから合わないと悪循環である。
  9. 型取りを行った患者の情報から。2002年8月12日からカブールで採型をし、63名の患者が来られた。その内訳は、大腿義足43名、下腿義足14名、装具、4名、義手2名
    義足を既に持っている方25名初めての方?名

切断の原因

  • 地雷
  • 兵士であって
  • 傷病で
  • その他
  • 強盗にピストルで両足を撃たれて切断

驚くのは義足を10本作った人。3本もっている人。案外カブールにおいては、国際赤十字社で製作されていたのが大半であったが、行き渡っている現状に驚いたが、残念ながら義足や装具に満足している人は少ない。10本貰っても合っていない10本は意味がない。

アフガニスタンの義肢装具の援助の必要性と方向性

世界標準の義足!?は、せめて本人の足から型取りを行うのが義肢装具であるが、現在製作されているものは「義足とは名ばかりの足の形のポリバケツ」はアフガンの潜在需要の解決策にはならない、解決させるのには熟練した義肢装具士であり、決して西洋の高い部品ではなく技術を修得する人材育成の教育機関の設置が急務である。

現在も国際赤十字社がアフガンの過酷な状況での活動で、取りあえず義足の必要な人々に大量の義肢装具の供給プロジェクトを進めて、成果を挙げて来たが、ここに来て転換期を迎えている。前にも述べたように余りに大量な義肢装具の生産で能力の限界にきており、且つ義肢装具士の人手不足、技術の基礎知識等の不足、1歩進めた仮義足から本義足への転換が不可能であり、この事が慢性的に、合わない義足を装着する悪循環に陥っているのである(仮義足とは切断直後に装着する練習用の義肢のこと)。

まず急務は育成機関(義肢装具専門校)である

プロジェクトの成功の要は、アフガニスタンの民族性や宗教、環境を理解し、最低5年の短期的、最大15年の長期的滞在と将来の援助展望を持たなければ成功は難しい。また調査の段階から、現地に詳しい義肢装具士(滝谷)に参加させるべきである。

  1. 第一段階として 中核となるアフガン人による教官を日本に於いて教育する、規模は1クラス10名の3年制で3クラス。ここで製作される(練習の為のモデルはアフガン国内で使用される)寮、教室、機械設備、教材、工具、教官、通訳、その他現地事務所、
  2. 日本国内で教育した卒業生がアフガニスタンに帰国させる受け入れ先が必要となる(義肢装具製作の為のセンター)、そしてアフガン国内に専門校の設置が必要である
  3. この日本国内の3年間がアフガニスタン国内の教育プログラムの整備、及び日本人スタッフの語学教育、教本のペルシャ語化を行いアフガン国内開設の準備の期間でもある。

義肢装具専門校設立に関する概要

まず、前提として学校の規模であるが、総生徒数30人としそれらを基準に算定(小さく始めて大きく育てる当初5年は)建物の規模は500平米以上で、8室以上が(別に学生寮が最低限室)が望ましい
初年度、10名でスタートし3年で卒業とする。
次年度 10名受け入れ、
3年目 10名
訓練生は最大で30名とする
運営に関わる職員(教官3名、通訳3名 事務職3名)は日本において募集する。滝谷が責任をもって集める。
身分については(国家公務員に準ずる)が望ましいが、?!また機械設備についての日本での購入には、高額である為、台湾や中国、その他インド、パキスタンや旧ソビエト諸国も視野に入れて、考慮すべきであろう。(イランが総ての機械、材料が安価で、安定供給が可能)

  1. この義肢専門校では、義肢装具製作を学習するが、製作される義肢装具は直接必要な人を対象とするため、初年度から、少数ではあるが、活かされる。
  2. 卒業生を出す4年目には隣接する義肢製作工房において、彼らの職場を用意の必要がある。
    卒業生は将来、赤十字社のアフガンでのプロジェクトの引き継ぐ際のキイ・パーソンでもある。
  3. 訓練生には訓練手当が必要である。 (若しくは全寮制で食事があり無料)
  4. 言語はアフガンダリ語、パシュツーン語、補助的に英語、であるが、通訳が教官を助ける。
  5. 教材、教本については、現在日本で使用されているモノを、ダリ語に翻訳するものとする。(後記:イランの医療技術学部義肢装具学科で使用されているペルシア語教科書も活用する)
  6. 材料、部品については、(隣国イラン・インド・中国)の安価なものを輸入する。
  7. 工具、機械、作業台については、(台湾やインド、中国、若しくは日本の中古)から持ち込み。見積もり要
  8. 初年度(2年後)をメドとして、準備を始める。
  9. 段階的に教官は増員する必要があるが、初年度は最低2名の義肢装具士(日本人)と2名の事務員2名の通訳が必要
  10. 入学に関して、文字(ダリ語)パシュトーンが理解できるアフガン人を対象に入試を実施する。
  11. 女性、身体障害者を定員の70%を超えない範囲で優先する

準備として

機械、工具、事務関係機具、見積もり(電気等の規格に合うのか調査が必要)
初年度の材料、部品等の見積もり
皮革など出来うる限り現地調達する。工作法の検討 教本の翻訳作業(ラジ先生)はできるだけ早く始めなければならない。監修レシャ-ド博士へ
義肢学 装具学 医学 工学 材料学
スタッフをアフガン入りの時に探す
サイード・ドウスート君
学校は民間の施設を使用するには無理があり、アフガン政府から借り受ける必要がある、設立には、アフガン政府の許認可が必要である。(厚生省、文部省、外務省)

教官の語学研修、(ダリ語)ラジ先生について1年間の期間を使い、5年年間の長期滞在にそなえ、アフガン社会に順応できる様、
日本において研修する必要性がある。

機械設備
カービングマシン10台 ベルトサンダー10台 オーブン3台 電動ノコ木工3台 金工用3台卓上ドリル3台 簡易旋盤1台、アシックス足底装具製作機1台 電気溶接機1台 ガス溶接機1台 CAD/CAM1台(中部労災工学センターに提供求める) 集塵機3台  作業台20台 卓上バイス ギプスカッター10台
 グラインダー3台 ハンドドリル10台 ジグソー3台 ドライヤー 10台 タップドリル5台 定板(90X180)
工業用ミシン5台 八方ミシ3台 靴用ミシン2台  靴用圧着機、皮すき機 3台 コンプレッサー3台 吸引機6台 

事務用パソコン2台、プリンター2台 ファクシミリコピー機1台 教室黒板 3台       机20台

工具
義足用レンチ(6角)セット、ノコギリ、ナイフ ドライバ-セット、丸パス、デバイザー、トースカン
装具用ハンマーセット、曲げベンダーセット、Hベンダー、プライヤー、ハンドバイス、センターポンチ、鳩目抜きセット、千枚とうし、くいきり、皮きりナイフ、砥石セット
初年度20セット用意する
合計約6000万円の予算が必要と見ている。

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